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東京国際映画祭 ジャパニーズ・アニメーション部門にて上映!
レッドカーペット&シンポジウムに黒川智之監督が登壇!


現在大ヒット公開中の劇場アニメ『ぼくらのよあけ』。
この度、黒川智之監督が10月25日、都内で開催中の第35回東京国際映画祭にて開催された『アニメーションで世界を創る』ジャパニーズ・アニメーション アニメ・シンポジウムに映画『雨を告げる漂流団地』の石田祐康監督、映画『夏へのトンネル、さよならの出口』の田口智久監督と共に参加しました。

奇しくも『ぼくらのよあけ』と『雨を告げる漂流団地』は“団地”を舞台にした作品。これに石田監督は「同じ団地をテーマにした作品が同じ時期に公開されると知ったときはドヒャー!となってビックリしました。団地が舞台の作品が同時進行していることは露知らず、お互いにビックリした感覚です。でもそれはそれで面白い。同じ団地の友人として2作品とも楽しんでほしいです」と相乗効果での話題性に期待。

一方の黒川監督も「僕も『雨を告げる漂流団地』についてはNetflixの発表会で知ったほどで、まさに寝耳に水でした。ただすでにこちらの作品も動いていて、どうこうできるわけでもないので、良くも悪くもそれぞれの作品ということであまり気にしませんでした。こういう珍しい機会もそうないので、一つの話題性として面白いと思いました」と偶然の一致を楽しんでいる様子。

3作品に共通するアイテムとして“水”も挙げられ、田口監督は「登場人物たちが対になっている、お互いが写し鏡のような存在だということを様々なシーンで表現しているのですが、メインの舞台であるトンネルの中でも鏡の演出をしたいと思った。ただ、地面を鏡張りにすることはできないので、水を鏡面として捉えるアイデアを採用しました」と狙いを解説。

黒川監督は作中登場する水の惑星・“虹の根”を表現するにあたり「水はアニメの作画的にカロリーが高い表現になる。でも原作を読んだときからそこは避けて通れないと覚悟を決めていたので、水を描くエフェクトの作画監督を専任で置きました」とこだわりを紹介。石田監督は「黒川監督の話には共感しかありません」と笑いつつ「水をアニメで表現するのはとにかく大変ですが、『雨を告げる漂流団地』は画面の9割が水なので避けられないことでした。しかし本作の水の表現は『ぼくらのよあけ』とは違って、演技をする水ではなく大海原という背景や環境としての水が多かったので、CGで繰り返し使えるようなものを作って使用しました」と明かしました。

またアニメ作品のアニメならではの魅力についても言及。石田監督は「描き手が何に価値を置いてどう感じているのかがそのまま表れるのが面白いところ」といい、田口監督は「アニメの最大のメリットは、実写とは違いすべてをコントロールできること。最初はイメージと離れていても、作画によって次第にイメージに近いものが生まれてくる」とその魅力を解説しました。 学生時代は、実写映画の勉強をしていたという黒川監督は「アニメはすべてをコントロールできるけれど、実写にあるような偶然性は生まれないので狙わないといけない。そこに大きな違いがあると思う。真っ白なコンテに自分のイメージを落とし込んでいくのが面白さであり難しさであり苦しいところ。それがアニメーションの醍醐味だと思います」と実感を込めると、石田監督・田口監督ともに大きく頷く場面も。石田監督は「コンテを描く過程で白い紙がひたすら続いていると、これ本当に終わるのかな?と思うことがある。0から1を生み出す怖さがありますね」と共感しました。

現在公開中の『ぼくらのよあけ』について黒川監督は「全編に渡って自分のイメージを超えてきた作品です。完成したフィルムは自分が思った以上に主人公の悠真が生き生きしている。ビジュアルも凄く綺麗にまとまったと思う。音楽も声もお芝居も皆さんのご協力を経て素晴らしい作品になった」と手応えを口にして「今日はお二人のお話を伺うことができて貴重な体験となりました。『ぼくらのよあけ』は現在公開中なので、皆さんも劇場に足を運んでください」とアピール。

また、黒川監督は24日に行われたレッドカーペットにも悠木碧が演じたオートボット・ナナコのぬいぐるみと共に登場しました